秋山舜太郎は、都内の三流大学に通う大学4年生。就職先も親のコネでなんとなく決まり、漫然と日々を過ごす。ただ、とにかく卒業するため単位を取らなくてはならず、親友の斉藤宜秀に甘えまくっているものの、何日かは満員電車で大学に通っている。そんな彼はある日車内で頭をぶつけ、気を失ってしまう。目覚めると乗客の頭に駅名を示した文字が見えるようになる。
やがて彼はそれが「その乗客が降りる駅」なのだと分かる。電車の中でしか発揮されないこの能力だが、舜太郎はラクして電車で座れるようになり、その能力を楽しむ。
そんなある日、舜太郎は「頭上に駅名が浮かばない」男を見かける。疑問に思った舜太郎は好奇心からその「例外」の男の後をつけていくが…
舜太郎はこの不思議な能力を通じて、就職選考で残り2社しか残っていない親友・斉藤宜秀、もう一人の「駅名が出ない」乗客・橋田美雪など、人生に悩み葛藤する人々の想いに触れ、彼自身の人生の新たな一歩を踏み出していく・・・。